インビザラインとキレイラインの比較
マウスピース型矯正装置には様々な種類があります。今回はその中でInstagramなどのSNSなどでもよく投稿を見かける「インビザライン」と「キレイライン」について比較をしていきます。下の図にざっと比較をまとめてみました。
インビザライン | キレイラン | |
取り扱い元 | アラインテクノロジー株式会社 (アメリカ) | KLマーケティング株式会社 (日本) |
費用 | 70〜120万円 | 10〜30万円 (マウスピース一枚2〜4万円) |
適応症状 | 奥歯を動かさなくてはならない複雑なケースにも使用可能 | 上下の4前歯の歯並びの改善が中心 |
治療期間 | 2年程度(最大5年) | 5か月〜1年3か月 |
作り方 | 最初にとったデータで、全てのマウスピースを作成する | 毎回、歯のデータを採取する必要がある |
補助装置 | アタッチメント・顎間ゴム | なし |
併用装置 | ワイヤー装置を併用する事もある アンカースクリューも使用する事がある | 拡大床装置を事前に使用する事がある |
この表からわかる事は、インビザラインと比較してキレイラインは前歯を中心とした割と簡単な症状のケースしか治す事ができないという事です。ワイヤーで行う一般的な矯正治療の治療期間は2年です。いくら技術が進歩しても、歯の動くスピードは一緒のため治療期間が半分に短くなる事はありませんので、1年以内で治るキレイラインは「部分矯正治療」という位置付けになります。
また、キレイラインには歯をしっかり動かすために必要なアタッチメントといった歯につけるパーツがなく、上下の歯列位置を調整する顎間ゴムもありません。ですから、出っ歯・受け口などの前歯を引っ込める治療や、クロスバイトやオープンバイトなどの噛み合わせを治す治療はできません。普通の難易度の矯正治療症例はインビザラインを使用する方が良いと言えます。
治療結果の責任の所在が大切
この二つのマウスピースの大きな違いは、誰が治療結果に責任を持っているかという点と考えます。基本的にはインビザラインを使用できるのは矯正治療の研修をしっかり受けた歯科医師のみしか取り扱いできません。ですから矯正歯科医が治療の責任を持っています。しっかりセミナーを受講した先生の名前が表に出ています。
インビザラインシステム導入コース受講資格
5年以上の歯科矯正の経験を有し、かつ、以下のいずれかの要件を満たす方
▶国内外の大学にて歯科矯正学を履修された方
▶その他施設にて歯科矯正学を履修された方
インビザライン・ジャパン公式サイトから抜粋
一方、キレイラインは、監修に矯正専門医の先生がいますが、取り扱っている各歯科医院で、誰が治療結果に責任を持っているのかはよくわかりません。この点から治療結果の信頼性が低いと言えます。
結局、マウスピース矯正は、患者さんが矯正装置を使用して治していく治療のため、最終的なゴールと道順を決める最初の治療計画というのが非常に大切です。これを誰が行うかというのが、治療が上手くいくかのポイントかと考えます。